Revenant

Revenant

ヨーロッパへと買付に行く際は、名古屋からの利便性もあって毎回フィンランド航空を利用しているのですが、機内で毎度観る映画がディカプリオ主演のレヴェナント。

R指定が納得の残酷なシーンが冒頭から続くのですが、1800年代初頭〜中頃のインディアン戦争、西部開拓を絡めての当時のアメリカを描いた作中で、自分の目を釘付けにするのは、画面の端々にチラチラと映り込む生活具や家具、衣服、小屋などの所謂小道具の数々。特にカイオワ砦のシーンなどは人物背後の酒瓶やピューターのうつわ、燭台、白釉のピシェなど、時に物語の進行よりも気になるモノたちに溢れていて、画面を止めること数度。
リアリティとディテールへの追求が丁寧で、泥や汗、血の匂いが充満するような空間に在る品々に、ある種癒しのような美しさを感じます。